相続登記をしないとどうなるの?③【遺産分割協議書と固定資産税の問題】(第5回)

 こんにちは。司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナーの檜山大地です。

 第4回までは、主に相続登記の未了から生じる問題点についてお話ししました。

 第5回は、相続登記の未了に関連した遺産分割協議書・固定資産税の問題点についてご紹介したいと思います。相続の相談を受ける中で、実際によく耳にするケースですので、参考にしていただければ幸いです。

事例5 Fさんは、母が亡くなった後も、母の住処であった家を自宅として住み続けています。自宅の名義は故人である母のままですが、Fさん宛に毎年納税通知書が届くことから、その固定資産税を支払い続けています。Fさんには弟のGさんがおり、母が亡くなった直後の話し合いで、Gさんは口頭で「自宅は兄貴のものにしていいよ」と言っていたので、FさんはGさんを信用して特に書面も交わしませんでした。しかし、しばらく時間が経ち、ひょんなことから兄弟同士の仲が悪くなり、GさんはFさんに対し「事情が変わった。俺にもお袋の相続権があるんだから、自宅の持分を半分よこせ。」と言ってきました。この場合、Fさんは「Gは前に私が自宅を単独で相続することに同意していたし、現に不動産の固定資産税を払っているのは私なのだから、自宅の所有権は私のものだ」と当然に主張できるのでしょうか。

 答えは「×」です。なぜFさんの主張は当然には認められないのでしょうか。

遺産分割協議に関する主張について

 まず、Fさんの「Gは私が自宅を単独で相続することに同意していた」という主張についてですが、FさんとGさんは当初の話し合いで遺産分割協議を行っており、これは口頭でも有効です。しかし、相続登記をする際には、遺産分割協議書を法務局へ提出するため、協議の内容を書面化する必要があります。当時の遺産分割協議の内容を書面化していない以上、Gさんの同意については言った言わないの水掛け論になってしまう可能性が高いため、Fさんは自宅の所有権を主張するのが難しくなってしまうと考えられます。協議の内容を書面に起こし、Bの署名捺印をもらったうえですぐに相続登記を申請していれば、このようなことにはならなかったのかもしれません。

固定資産税に関する主張について

 次に、Fさんの固定資産税についての主張についてですが、相続登記未了の物件についても、役所からその不動産に住んでいる相続人など相続人のうちの1人に対し、納税通知書が送られてきます。したがって、不動産は亡くなった方の名義のままですが、固定資産税は相続人が支払っているというケースも多々ありますので、固定資産税を払う人に不動産の所有権があるかどうかはまったく別の問題ということになります。

 相続人が複数いる場合、まず遺産分割協議を行い、誰が不動産を相続するか合意したうえで、その遺産分割協議書を法務局に提出して相続登記をしなければ、いくら固定資産税を払っている方でも所有者とは認められません。法律上は、法定相続分の割合に応じ相続人全員で共有する物件に居住していることになってしまいます。

 よって、Gさんは固定資産税を払っているからといって、自宅の所有権を当然には主張できません。

 いかがでしたでしょうか。すみやかに相続登記を行うことや遺産分割協議書を作成することの重要性についてご理解いただけたのではないかと思います。

 第3回から第5回までは、相続登記をしない場合(相続登記を申請する「前」)の問題点についてお話しいたしました。

 次回以降は、実際に相続登記を申請した「後」の問題点について触れていきたいと思います。

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