親が亡くなる前に遺産分割協議や相続の放棄ができるか?【前編】(第11回)

 こんにちは。司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナーの檜山大地です。

 今回は、生前の遺産分割協議や相続放棄ができるかについて、解説をしたいと思います。

  まず、以下のような事例を考えてみましょう。

事例 私には父A、兄(長男)Cがおり、母Bは数年前に亡くなっています。私は弟(次男)Dの立場で、すでに結婚して実家を離れて暮らしています。父Aはまだまだ健康で元気に暮らしていますが、私は結婚して家を建てる際に父Aから多額の住宅取得資金を出してもらったので、もし父Aに万が一のことがあれば、父Aと一緒に暮らしている兄Cにすべての遺産を相続して欲しいと思っています。ですので、いざという時に兄Cの負担にならないように先に父Aの相続について相続人全員である兄Cと私で遺産分割協議をして書面に残すか、または、兄Cの負担にならないように先に私の方で相続放棄の手続きをしておきたいのですが、可能ですか。ちなみに、父Aの遺産は自宅の土地建物と預貯金のみで債務などはなく、私が相続放棄をすることや兄Cが遺産のすべてを相続することについては、父Aも兄Cも納得しています。

 上記事例のように、いざ相続が発生したときのために先に相続人の間で遺産分割協議や相続放棄の手続きを済ませておきたいとお考えの方は多く、当事務所でもよくご相談をお受けします。

生前に遺産分割協議・相続放棄ができるか

 結論から申し上げますと、相続が始まる前に遺産分割協議及び相続放棄をすることはできません。

 相続人が誰であるのか、また、相続財産にはどんなものがあるのかということは、親が亡くなったときに初めて確定し、遺産分割協議や相続放棄はそれ以後における各相続人の意思によりなされるべきものであるため、当事者間で事前にこれらの意思表示をしても無効であるとされています。

 要するに、親に万一の事があった場合、その相続財産は誰が相続するのか、家族全員ですでに話し合いもついているから、先に遺産分割協議をして書面に残しておいても無効だということです。

 また、とにかく「何も相続したくない」という場合には、その相続人は、原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所に相続放棄の申立てをしなければなりませんので、そもそも相続が始まる前に相続放棄をしようとしても、裁判所で受け付けてもらえません。なお、相続人同士の話し合いで、「私は何もいらない」と口頭で伝えたり、自分の取り分のない遺産分割協議書に署名捺印をしただけでは、相続放棄にはなりませんので、注意が必要です。

 では、兄Cが父Aの遺産について相続するにはどのような方法を取ればよいのでしょうか。それについては、次回のコラムでお話ししたいと思います。

 

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