司法書士からみた遺留分のポイント【後編】(第15回)

こんにちは。司法書士・行政書士・ファイナンシャルプランナーの檜山大地です。

今回も、前回に引き続き、遺留分についてのお話をさせていただきたいと思います。

今回のコラムでは、どのように遺留分を主張するかについてご紹介したいと思います。

遺留分減殺請求とは

 前回のコラムでは、遺留分の割合について解説いたしました。ただ、遺留分の割合といっても分かりづらいと思いますので、具体例でご説明したいと思います。以下の事例で考えてみましょう。

  • 被相続人(亡くなった方) Aさん
  • 相続人 妻Bさん 長男Cさん 次男Dさん
  • 相続財産 1,000万円
  • Aさんの遺言内容 「長男Cに全財産を相続させる」

 上記のケースでは、遺留分が相続財産全体の2分の1になるケースなので、相続財産のうち500万円(1,000万円×2分の1)が遺留分として認められます。  そして、Bさん、Cさん、Dさんの相続分はそれぞれ、4分の2、4分の1、4分の1なので、相続人ごとの個別の遺留分は、Bさん250万円(500万円×2分の1)、Cさん125万円(500万円×4分の1)、Dさん125万円(500万円×4分の1)となります。Cさんは1,000万円まるごと貰っていますので、何も受け取っていないBさんとDさんの遺留分が侵害されていることになります。したがって、遺言の内容に納得がいかなければ、Bさんは250万円、Dさんは125万円を遺留分としてCに対し請求することができます。これを「遺留分減殺請求」といいます。

 遺留分減殺請求を受けた相手方は、遺留分を侵害されている人に対し、その遺留分相当額を返還する義務を負うことになります。具体的にどの財産(現金なのか不動産なのか等)を返還するのかなど、細かい点については、当事者間での話し合いによることになります。話し合いで決まらない場合には、裁判で決めることになります。   

 遺留分を主張するかどうかは、個々の遺留分権利者の自由意思にゆだねられていますので、必ず請求しなければいけないというものではありません。遺留分減殺請求は法律上口頭でもかまわないとなっていますが、言った言わないのトラブルになってしまいかねないため、内容証明郵便等で意思表示をするのが賢明です。

 また、遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、もしくは相続開始の時から10年を経過したときに時効によって消滅します。

遺言と遺留分の関係

 以上のように、たとえ遺言書を残したとしても、一定の相続人には遺留分がありますので、必ずしも遺言のとおりに手続きができるとは限りません。
 遺言書を残す場合、遺留分を十分考慮したうえで作成することがとても大切です。
 ただし、言の内容が個々の遺留分を侵害する内容であっても、当然に無効となるわけではありませんので、このような遺言を作ること自体はまったく問題ありません。
例えば、相続人が長男と長女のみのケースで、遺言により長男が不動産や預貯金などをすべて相続することになったときは、長男は長女からの遺留分減殺請求を待つまでもなく、不動産の名義変更(相続登記)や預貯金の払戻手続等を行ってしまっても問題ありません。むしろ、遺言の内容通りに手続きをするのが原則ですから、これらについては長女の同意は不要です。後日、長女が遺留分である4分の1を主張してきた場合、長男はその遺留分相当額を返還すれば良いというだけのことです。

 いかがでしたでしょうか。相続手続きの際には、遺留分にも注意しましょう。

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